今回はアイジェントが考えるオフショア開発についてお話ししたいと思います。

1980年代からソフトェア分野でも海外進出が行われるようになり、当初はアメリカ主体の最新の優れた技術獲得を目的とするものでした。その後、1990年代からインドを始まりとして韓国、中国などでコスト削減を目的としたオフショア開発が注目され、現在ではオフショア開発=コスト削減といったイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか?特に2000年代初頭のITバブル崩壊、中国政府の積極的な海外企業の誘致やソフトウェアパークの建設などで、一気に注目されるようになり、現在では約半数の企業が何らかのオフショア開発を行なっていると言われています。特にインフラが充実している現在では大量のデータを瞬時に送受信できるため、距離の壁を簡単に越えることができるようになったこともオフショア開発が拡大した一因です。

・人材確保に注目

オフショア開発=コスト削減と前述しましたが、やはりインド、中国、最近ではベトナム、バングラディッシュなどは日本と比べまだまだ労働単価が安い状況です。さらに東南アジアでは若い世代の人口が多く、労働単価だけではなく人を集めやすいというメリットがあります。日本のIT業界では2〜5倍の有効求人倍率と言われていますので、すぐに数十人採用できるベトナムなどは非常に有望な開発拠点です。アイジェントの拠点がある中国では労働単価の上昇、少子高齢化など日本と同じ状況に向かっていますが、現状では日本と比較するとまだまだ人材確保は簡易で単価も50%程度で人材採用が可能です。

・デメリットは

労働単価が安く、人も確保しやすい、優れたインフラでデータの送受信も問題ない、さらにアジア地域であれば時差もそれほどない、とメリットが多いオフショア開発です。しかし忘れてはいけないのが、言語の壁です。
アメリカの場合、英語が公用語であるフィリピン、シンガポール、準公用語であるインドへのオフショアは言語の壁も低くシンガポールにデータセンターを設置し、インドで管理しているなどのケースも多くみられます。一方日本では当然公用語は日本語ですので、オフショア開発ベンダーには基本的に日本語および日本の開発環境に合わせてもらう必要があります。特に日本の要求事項と現地での設計、開発にギャップが生じるケースが多々あり、多くのトラブルを聞いたことがあるのではないでしょうか?

・ブリッジSEの存在

オフショア開発を行う場合は、日本と現地をつなぐブリッジSEが存在します。このブリッジSEが曲者で、ブリッジSEのスキルがプロジェクトの成否が大きく依存します。ブリッジSEを的確に判断することで、プロジェクトが失敗するリスクを大きく軽減することが可能です。

ブリッジSEのスキル一例

言語能力 日本語(日本人の場合現地語)がどの程度理解できるか。よく日本語検定1級とか話を聞きますが、TOEIC何点と同じで目安にはなりますが、コミュニケーションが取れるかどうかは別物です。
開発能力 開発に最適な言語や手法についてどの程度理解があるか。
理解のない言語に対し、ユーザと開発現場の橋渡しはできません。
文書能力 ブリッジSEとはメールベースのやり取りが多く発生します。場合によっては要件定義や設計を行うケースもあります。双方が理解できる文書を作成できるかも重要になります。
文化、風習 軽く考えてしまいがちですが、日本の文化や風習、ユーザ企業のルールなどを理解することも重要です。いきなり本番環境にパッチをあてられてしまうなど、現実主義の強い海外では通常想像できないケースが起こる場合があります。
責任感 日本のSEでも同じですが、プロジェクトにどの程度コミットしているかももちろん重要になります。

いかがでしょうか?
単に安い労働単価、短納期などのメリットだけではなく、オフショア開発には様々な側面があることが少しでもお伝えできていれば幸いです。
次回は、アイジェントが提供するオフショア開発についてお話ししたいと思います。